直感の正体は素早い脳の判断

「なんとなく」の正体って何かしら? 「ピンときた」「ビビビ」なんて表現されるから勘違いされがちだけれど、実は直感力とは誰にでも(サルにも!)備わっている能力らしい。

認知心理学の専門家・佐々木正悟さんによると、人間の脳には生物学的な危機を察知する特別な脳内ルートがあるという(『できる人の直感力』)。

普段、私たちが何かを認識するときの情報伝達ルートは、何かを目で見る(眼球)→情報を脳の中継点に伝達する(視床視覚野)→見たものが何であるかを分析、認識する(後頭部にある視覚野)→好き・嫌い、安全・危険などの感情を抱く(扁桃体)という流れ。

でも「おわっ、今危険なものを見たかも!」と脳が判断すると、視覚情報は中継地点(視床視覚野)から直接、感情をつかさどる「扁桃体」に送られてしまうのだ。つまり、今見たものが何であったかが認識されないうち、目から入った情報は「高速で無意識に」処理される。その結果、何を見たかははっきりしないけれど「なんとなく怖い」「なんとなくおかしい」という違和感だけが残るってわけ。

無意識な上に言葉で説明できないから、妄想、第六感、気のせいなんて思われがちだけど、これは立派な脳の合理的判断! 決して気のせいなんかじゃなかったのだ。言葉にできないからって根拠がないわけじゃない。これがわかれば、自分の「なんとなく」をもっと大切にしてもいいんだって思えてきたでしょ?