花魁道中にうっとり! でも男……
最後に控えしは、花魁と旦那の悲恋を描いたどどんと重厚な1幕「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」。
<あらすじ>
田舎から出てきた絹商人の次郎左衛門(幸四郎)は、吉原で兵庫屋八ツ橋(福助)の花魁道中を見てすっかり虜に。それから八ツ橋の元に足しげく通いつめ、身請けする(花魁を引退させ引き取る)つもりで祝宴を開くが、突然八ツ橋に縁切りされ、恥をかかされてしまう。これを恨んだ次郎左衛門は、刀を抜いて……。

なんといっても目を見張ったのは、花魁道中!
20センチはあろうかという三枚歯下駄に、七色の糸を結び目に巻き、最高級のべっ甲でできたかんざしをつけた長い髪。そして、七色に輝く帯を前にたらし、細かい刺繍がほどこされた内掛けに身を包んだ花魁の美しいこと!
そして、はじめて吉原に来た次郎左衛門を虜にした、妖艶な微笑。
もう、この世のものとは思えません。いろんな意味で。
だって、演じているのは男性なんだもん!
それにしても、主人公たちの理性と感情、プライドと愛情のせめぎあいが伝わってきて、なんとも胸が苦しくなる大人向けのラブストーリーだった。
その感情を表現するため、ろうろうと長台詞のお芝居が続く。でも言葉は難しいはずなのに、感情移入できてしまうから不思議だ。
どちらの感情も理解できるようなオトナになったからかしら?

- 「冷やかし」てばかりだと
「やり手」がウルサイ!?
「冷やかし」「やり手」、どちらの言葉も江戸時代の吉原遊郭が起源。最初は日本橋にあった遊郭が1656年に隅田川近くの浅草に移転すると、原料を川にさらしている間に微妙に手があいた紙や染物の職人たちが、遊ぶ時間はないけど遊郭をぶらりと見にいったそうな。そんな彼らを誘おうとした遊女たちに、遊女屋を取り仕切る女性=「やり手」が「(紙や染物を川で)冷やかしている(から遊んではくれないよ)」と言ったことがはじまりなのだ。





