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- コヤナギユウ(yours-store)
働くオンナの5年間、
ブログ「i live you!」の傑作を再構成
i REwrite you!
1つのウソを隠すのに30のウソが必要なら……
「上質なうそつきは正直者のはじまり」

写真は隠れてないで出てきた事務所猫2代目(2007年5月撮影)
できれば、人に言いたくない。
そんな秘密のひとつやふたつ、誰にでもあるものだと思う。
特に多感なお年頃といわれる十代の頃なんて、聞いたところでなんてことも無いような秘密をやたらと抱えているものである。
もちろん、私もご多分に漏れず、私的「人に言えない」秘密がたくさんある。
一つ一つ本当にどうでも良くて、探り当てたところで誰の得にも損にもならない秘密。
そんな秘密でも漏洩しては私の存続に関わる不祥事になるわけだ。
小さな真実を隠すための木葉というのが、「うそ」である。
1つのうそを隠すために30の「うそ」が必要だと聞いたことがある。
小さな嘘を隠すために重ねられる、最初より一回り大きな「うそ」。
意図せずとも、少しずつ少しずつ、大きくなっていく「うそ」。
これが「うそつきは泥棒のはじまり」のシステムである。
とはいえ、泥棒まで行き着くうそつきは本当にわずかだ。
ありもしない出来事の事実関係を把握するのはかなり難しい。
うそをうそで塗り固めていく間に生まれる矛盾に泥棒への志半ばでうそはうそだと見抜かれ、真実がばれてしまうだけでなく、うその事実関係を保てなかったという恥までかき、さらに怒られるのだ。
そう、うそには大きなリスクが付きまとっている。
うそを大成させるのは並大抵のことではない。
では、凡人は真実を話すしかないのか。
恥はさらすより他ないのか。
結論から言えばそれは「イエス」である。
浅はかなうそをついて矛盾を突かれるくらいなら、つかない方が良いのである。
しかし真実を「自ら話す」事はない。
私は考えた。
どう考えても泥棒成し得ない浅はかな私が、秘密を守り通すための方法を。
まずは秘密の重要度を見直してみよう。
すると、バレたら死んでしまいたいくらいのうそというのは1つや2つなのだ。
この1つや2つの真実を隠す方法はとても簡単だった。
うそなどつくまでもない。
言わなければいいのだ。
「聞かれるまで」言わなければいいのだ。
核心を突いた質問なんてそうそうない。
それこそ世の中の話題は無限だ。
私の関心ごとが相手の関心ごとである可能性も低い。
「聞かれるまで言わない」
これを実行するだけで多くの真実は語らずに済んでしまう。
それでも偶然核心を突かれるような事があれば、敬意を表して恥をかいても良いだろう、と。
神経を集中させるために余計なうそはつかない。
真実を隠すために多くの真実を告白する。
言いたくない事は自分から言わない。
うっかり口をついて出て来ないように意識もしない。
言いたくない真実を記憶の端へおいやっていく。
そうやって何年も何年も過ごし、習慣化してしまった。
今もこのスタンスは変わっていない。
それでふと思ったのだ。
果たして隠したかった「真実」とは何だったのだろう。
長い間追憶の彼方へ追いやっていたため、本当に忘れてしまったようだ。
真実を忘れた、というよりもその真実に対する自分の重要度を忘れてしまったようなのだ。
いったい何が秘密だったのか……
私にとって知られたくない真実とは何だったのか、と。
知られて困る真実など、実はほとんどない。
小さな恥を隠してびくびくするのは思春期まで。
大人になったら恥は話したほうが面白いのだ。
言いたくない事だけ、うそなどつかず、黙っておけばいい。
とはいえそれも忘れちゃって……
隠し事の1つでも欲しいじゃないか、ミステリアスな大人の女性への道はまだまだ遠い……と、木の葉を、ひとつ。
オリジナル投稿(2005.03.13 Sunday 12:16)
上質なうそつきは正直者のはじまり


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- コヤナギ ユウ
- (yours-storeダイヒョー)
- イラストレーター・デザイナー・プランナー、株式会社yours-store代表。趣味が趣味に留められず「始めることが大切」と見切り発車し、「続けることがいちばん大切」と雪だるま式に人を巻き込む。登山とカメラが今の趣味で雑誌マニア。社会科見学先でハンカチーフを集めている。
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