オトナ、オトナ…と考えると、どうも肩肘張ってしまうクセがあるが、小粋な大人は例外なくリラックスしている。
それは余裕かもしれないし、疲れかもしれないが(笑)共通して言えるのは無邪気さや子供っぽさが残っているというところ。
本作「地上5センチの恋心」に出てくる主人公オデットは、夫に先立たれ女手ひとつで子供を育て上げた、どこにでもいる主婦。
ゲイで心優しい長男と、反抗的な娘とその彼氏(ダメ男!)との4人で暮らす日常は、とてもありふれている。けれど、オデットはある1冊の本を読んでいる間だけ、地上からふんわりふわっふわ、“地上5センチ”どころじゃ収まらないくらい浮き上がって、恋心を膨らませる。
一方、その本の著書であるバルザンは批評家に「陳腐なロマンス小説は本を侮辱している」とまで酷評され、おまけに妻がその批評家と浮気している現場を目撃。バルザンは完全な鬱状態に。行方をくらまし、「誰かに愛されたい」一心でファンレターの送り主オデットの家の扉をノックする。
それから、著者とファンとその家族(とその彼氏)の、奇妙な共同生活が始まるのだが……
確かに、これは作り話だし、娯楽が娯楽たるハデな演出も多い。
その中で、オデットの恋(愛)に懸ける純粋さは彼女の「大人らしさ」を際立たせているし、彼女の楽観的すぎるように見える振る舞いにも、ひとつひとつ、大人たる所以も垣間見える。
正直最初は「こんな少女みたいな中年には、元が違いすぎて成れるわけない」とナナメに構えて見始めたのだが、いやいや、オデットはもっとずっと上手だ。
彼女のまっすぐな純粋さ、そしてその正しさにバルザンならずとも心晴れるに違いない。
きっと見終わったあとの私も、3センチくらいは宙に浮いていたことと思う。

- 地上5センチの恋心(DVD)
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発売日:2008/09/26
価格:3,162円(税込)
「自分がいつ死ぬか知りたいか?No…96%、
私は4%の方だった」
自動車修理工のカーターと、一代で10億ドルを稼ぎ出した大富豪エドワード。
エドワードは自身が所有する病院に入院することになったのだが、彼の口癖は「1部屋に2人、例外なし」。そこで同部屋になった2人の最悪な共通点は末期ガンにて「余命6ヶ月」。
動揺するカーターは、哲学者を志していた大学時代に書いたことのある、死ぬ前にやっておきたいことをメモした「棺桶リスト」を作成する。当時は大志や野望を書き連ねたはずのリストに、今では「荘厳な景色を見る」「見ず知らずの人に親切にする」「涙が出るほど笑う」など、ほんのささやかな幸せしか書けない自分を悲観しリストを破棄。それを拾い上げたエドワードは、リストに「スカイダイビング」「世界一の美女にキスする」「入れ墨をする」などと書き入れて、リストの実行を持ちかける。
延命処置を拒否した二人は病院を抜け出し、冒険の旅に出るのだった。
性格も生き方も価値観も、肌の色さえ違う二人の旅は、とっても痛快で晴れ晴れしい。
サバンナをジープで疾走しなながら、ルーフウィンドウから顔を出し、二人でミュージカル「ライオンキング」の歌を歌っているのを見て、男の人はいくつになっても少年なんだなと思った。
やがて、財力にモノを言わせた豪遊の途中、本当に死ぬ前にやっておきたいことに気がついた二人は……
男の友情と家族愛。
文字にしてしまうととても陳腐で見慣れたものになってしまうのだが、その真髄を実感できるには、しかるべき経験が必要だ。
カーターは家族のために夢を諦め、エドワードは仕事のために友と愛を諦めた。男の友情と家族愛を我が身に受け入れるためには、やはり純粋な湧き上がる気持ちが不可欠。
冒険旅行を経てキラキラと純粋さを取り戻していく二人を見て、結局男の人には好きなことをさせておくのが一番かも、と思いつつ、よく考えてみると性差なく自分もそうだったり。
分ったような口は、まだまだ私には利けないけれど、たとえ今の自分が若かりし頃の理想と離れていたって、目先の利益に惑わされてしまっていたって、どうやら純粋な心は消えてなくなるものじゃないようだ。
どんなに深くに沈めたと思っていても、どんなに強くねじ曲げたと思っていても、その純粋さがいざというときに私を救ってくれるだろう。
今を否定しない、そんな小粋な大人のつくり方が少し見えた気がした。

- 最高の人生の見つけ方(DVD)
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販売元: ワーナー・ホーム・ビデオ
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発売日: 2008/09/25
価格:3,980円


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- コヤナギ ユウ
- (yours-storeダイヒョー)
- イラストレーター・デザイナー・プランナー、株式会社yours-store代表。趣味が趣味に留められず「始めることが大切」と見切り発車し、「続けることがいちばん大切」と雪だるま式に人を巻き込む。登山とカメラが今の趣味で雑誌マニア。社会科見学先でハンカチーフを集めている。
- ・エッセイ:i REwrite you!





