これまで比較的のんびり温厚に生きてきたのに、
どうしたものか、この1年は特に、
日本の行政に対して怒りばかりが沸き上がってきた。
「少子化対策しませう」とうたっているのが本気とは微塵にも思えない。
そんな怠慢な妊娠・出産環境しか、この国にはないんだもの。
国側の言い分を訳せば、概ねこんなようなもんだ。
「ああ、その問題ね、すげえ努力してますよ我々は。
ほらほら、少子化対策の一環としてもね、
前からぼちぼち、ゆるっと色んな試みをしてるでしょ?
んー、まあ思ったほどの成果は出てないけどね。
昔に比べたら妊婦死亡率は減ったし、とりあえずよかったね」
って、ちっともよくないわけね。
じゃあなんで、こんなに頻繁に妊婦がたらい回しにされてるのかね。
なんで妊娠6週目ですでにお産の予約とれなかったりするわけ?
なんで妊婦検診に保険が適用されないの?
出産を奨励しながら、安心して産める環境ができてないなんて
言動不一致も甚だしい。
あれ? 日本って先進国じゃなかったっけ。
もしかしたらその責任の多くは、産科にあると思われているかもしれない。
だけど、多くの産科医は身を削って努力している。
実際、私は、
妊娠・出産を通して産科医と看護師の激務を目の当たりにしたし、
危機にさらされた命を担当医に救ってもらった、幸運な側のひとりだ。
産後14日目、子宮から大出血して救急車で運ばれたとき、
夜中であるにも関わらず、お産をした産院に受け入れてもらえた私は、
本当に運がよかったと思う。
担当医は、出先からすぐに医院へと駆け付けてくれた。
血圧の急低下で朦朧とした状態で、
運良く携帯電話を握りしめてから倒れ、
運良く意識があるうちに夫に電話がつながり、
運良く夫から産院の当直にすぐ連絡がつき、
運良く産院が近った為、短時間で搬送され、
運良く担当医がベテランで、陥りやすいミスを避けられた。
それらすべての幸運が重なったおかげで、命を落とさずに済んだんだ。
ひとつでも欠けて、一刻でも遅ければ、私は今この世にいない。
先生はその産院で、医師をたったひとりで務めている。
他は看護師数名のシフト。
つまりは大概24時間体制で、盆暮れ正月も関係なく、
朝から翌朝までぶっ続けで赤ちゃんをとりあげることもあり、
その合間に妊婦さんの検診までこなす。それをもう18年も続けているのだ。
これ以上、先生に、いかなる勤労を求められよう。
今動くべきは、やはり行政であり、
変えるべきは医療のシステム。医者じゃないでしょう。

- 川添産婦人科医院(産婦人科)
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「赤ちゃんできた」に、手放しで「おめでとう」って
言えないシチュエーションが、ごくたまにある。
たとえば、極度の虚弱体質である……
そんな母親の場合だ。
妊娠すること自体が奇跡ゆえ「おめでとう」であることは確かなんだけど、
同時に大きな心配が頭をもたげる。
一般的には、妊娠がわかってから出産までに、
20人に3人が流産すると言われている。
妊娠がわかる前に流産するケースや、死産を含めると、
赤ちゃんが無事に産声をあげる確率はもっと低いだろう。
死産や流産は、私達が思っているよりも、はるかに多く存在する日常なのだ。
だけど、いざ自分の身にそれが降り掛かると、
多くの母親はその後ずっと、自分を責める。
たとえ“不可抗力が原因であっても”だ。
彼女達の中には、
「産んであげられなくて、ごめんね」と赤ちゃんに謝り続けるばかりで、
赤ちゃんからの「ありがとう」を聞き逃している人もいるかもしれない。
そんな現状を受けて、
膨大な胎内記憶リサーチを元に、1冊の絵本が作られた。
「ほんのみじかいあいだでも、ママのおなかにいれてうれしかった」
「どんなけっかがまっていようと、ママをえらんだのはボクなんだよ」
という赤ちゃんからのメッセージが、
謝り続けるママの未来を、ほんのちょっとでも明るくしてくれたらと願う。
届けたいのは、ママから赤ちゃんへの「ごめんね」よりも、
むしろ、空に帰った赤ちゃんからママへの「ありがとう」。
もうこれ以上、自分を責めなくてもいいのですよ。

- ごめんね、ありがとう。〜産まれることができなかった赤ちゃんから届いたメッセージ〜(単行本)
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ISBN-10: 4861132150
ISBN-13: 978-4861132155
発売日:2008/09/10
商品の寸法:17.4 x 13.6 x 1.8 cm
価格:1,470円(税込)


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- 松本えつを
- (絵本作家)
- 1975年生。♀。絵本作家。出版の企画・プロデュースも手掛ける。「愚痴ってばかりも嫌だしさ、人生をかけて次のプロジェクトを始めて世の中を変えようと思っているんだ」と友人にもらすも、「そんなやる気のあるキャラだっけ?」と返されて会話が終わった。
- ・Webサイト:日刊ちこら





