この胸の振動
気づいてるでしょう
色褪せた信号 点滅をして

(SIGNAL / signal EP

YUUMI(以下Y) ちょうど恋が終わる所で、色鮮やかな信号機を眺めているのに、自分にはモノクロにしか見えていないような風景が、メロディに乗って突然浮かんで来たんです。
「気づいてるでしょう?」って心の中で問いかけながらも、相手にはもう届いてないような。お互いに言い合うことも出来なくなってしまった中で無言のシグナルを発している姿を想像したら、自分で書いた歌詞なのに泣いてしまった(笑)自己陶酔しすぎですよね。

藤谷(以下F) 僕は他のアーティストに楽曲を提供する作家の仕事もしていたので「メロディ至上主義」的なところがあるんですよ。感覚ではなく、頭で曲を作ることが多いと言うか。たとえば、歌詞を書く時でも、サビで肯定的なことが言いたいと思ったら、Bメロではわざと否定的な歌詞を書いたり。曲を書く時も、メロディの起伏が描くラインによって、良いか悪いかを決める、みたいな。実は「SIGNAL」を書いた時は、「毎月2曲書こう」と自分を追い込んでいて、2週間に1度の締め切りを設けていたんです。この時も、あるバンドのサポートとして地方を回っていて「あ、今日締め切りだ」ってホテルで書いたんです。正直、出来上がった時は、特別良いメロディが出て来たと言うヒット感はなかったんですよ。悪くないけれど、unistyleらしいかどうかは分らなかった。良くも悪くも普通だなって思ってたんです。

Y 藤谷さんが作って出してくる曲は、基本的に全部クオリティが高くて、捨て曲がない。きっと捨てるような曲だったら出して来ないんです。だから余計に、どんな歌詞を乗せるかにかかってくる。いまいちな歌詞を乗せても全然光らないんです。だから、「SIGNAL」のメロディを初めて聞いた時も、いいなぁとは思ったんですけど……。私、なかなか「バラードブーム」が来ないんです(笑) だから一度お蔵入りしてて。わがままみたいで申し訳ないんですけど。それから3ヶ月間くらい、「自分の声が一番映える曲」というのを模索してました。アップテンポか、ジャジーか、バラードか、みたいな。unistyleはいろいろな楽曲をやるので、他にもたくさんお蔵入りしている良い曲があったから、3曲くらいピックアップして歌詞を書いてみた。だけどどうもピンと来なくて、煮詰まって、もがいていたら、ふっと「SIGNAL」の風景が浮かんで来て。歌詞が「見つかった」んです。

F YUUMIの声と歌詞が乗ったときに、「メロディ至上主義」の枠を越えて「マジ!? いいじゃん、これ!」って思ったよ。歌詞とYUUMIの声が乗ることで、曲の世界観が僕の想像を越えた。
unistyleで曲を作っていると、たまにこういうことが起こる。化学反応を起こすみたいに「ビシッ」とくるときが。「SIGNAL」はそういう反応を起こした最近の代表曲。