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- コヤナギユウ(yours-store)
働くオンナの5年間、
ブログ「i live you!」の傑作を再構成
i REwrite you!
〈試される大冒険4〉うっかり遭難!?
円山原生林を登ってバンザイしながら墓地到着

必死すぎて全然写真を撮っていない。この写真はボーゼンとした山の中腹部。雪の深さが伝わらないのが残念だ。
前回のあらすじ
雪祭り、雪だるまづくり、チョコレートづくりと札幌を楽しむが、もっと雪を堪能したいと向かった先は……
朝の10時にホテルをチェックアウトし、地下鉄で二十四軒へ行き、場外市場へ。
市場はあっちこっちから威勢の良い声が響き、立ち止まろうものなら試食用のカニを口の中に突っ込まれる。もらったカニ鍋をすすりながら大のカニ好きの母のためにカニを選び、やや活気疲れ。人ごみを避けて円山公園へ行くことにする。
さて、冬の間も開園しているという「円山動物園」へ行こうかと思った。
前日地元の友達が「冬の円山動物園は室内なので臭い」と言っていたことを思い出す。臭いのは嫌だ。とはいえ他に行くところもないし散歩がてら行ってみようかなと行動開始。しばらくは公園内を歩き北海道神社でおみくじを引く。するとなんと大吉!! また公園に戻り散歩。
公園とは言え、ここは試される大地・北海道。
歩道は踏み固められた氷の道だ。
「こんなツルツルの道を、滑り止めの付いてないツルツルの靴でもコケもせず歩けるなんて、けっこう雪国センス残ってるわ、私(新潟出身)」と調子にのっていた。道案内の看板が出てきて見てみるとどうやら円山動物園へはふつうの車道脇の道を歩かなければいけないらしい。「自然に触れたくて、こうしてツルツルの雪道を好んで歩いてるのに車道なんて歩けっていうの?」
道はどこでもつながっているという独自の理念に従い「なんとなくこっち方向かなぁ」という雪道をひた歩くことに。(半分円山動物園に着かなくても良いやって気持ちで)
雪に埋もれた遊具を横目にしばらく歩くと今度は「円山原始林」の看板が出てきた。
『原始林』!
凄く胸に響いた。樹齢500年の木々が手付かずで残っている(妄想)
……ステキ!この道を歩こう。
その『原始林』がはじまる数段の階段は雪に埋もれて、ただの急な坂になってるけど、あまり気にせず手すりしがみついて腕力で登る。
この時、自分がこれから歩こうとしている道が雪で真っ白になっていてどんなに険しいのか全然分らなかった。多少のデコボコは覚悟していたけど。
道なりに歩くだけなのに行けども行けども坂! 坂! 坂!!!
もちろんずーっと上り坂。
余りにも坂が急なので、ツルツルの下り坂を今さら引き返すこともできず道幅50センチもないような山道を、観光用の軽装備でひた登る。
もちろん柵なんてない。
左側は転がり落ちれば10秒でスタート地点に戻れそうな絶壁だし、右側は山頂も臨めないような絶壁。♪振り返るな振り返ると終わりーこの世はそんなものーおー(ユニコーン)とか思いつつ懸命に自分の2歩くらい先だけを見て必死に、そりゃ誰にも見せられないくらい渾身の力で必死に上り詰める。
どのくらい登っただろう。
道が少し緩やかになり、やっと少し余裕が生まれた。
足元しか見ていなかった目線を、ふと顔を上げて景色を仰ぐ。
「あ、間違えた。」
眼下に広がる札幌市。つか絶景。てか登り過ぎ。
ヤバい、現在地の標高が高い、予想以上に高いぞぉ!
自力で登ってきたのだけれど信じられず、こんなところからどうやって下るんだって言う不安&つか絶景で大笑い。笑うしかない。
窮地に追いやられて笑うのは私の人生のセオリーだ。
一通り笑い、どうしようもないのでまた道なりに歩くことに。
すると向いから人が!
とっても爽やかな白人男性。
登山人は礼儀正しい。すれ違うときにぺこりと挨拶をする。
「ぺこり」
ふつうにあいさつを交わして去る白人男性。
……いやいやいや! 助けを求めるべき? えっ、でも英語でなんて言えば良いの? 靴でも借りれば良いの!?
すでにチャンスは過ぎてしまった。
「白人男性に助けを求めるなら何と言えば良いか」などを考えて気を紛らわしながら黙々と歩くと、今度は十字路に出た。
十字路と言っても人の足でふみ固められた雪道が交差しているだけ。
道なりに進めばまた違う山を登りそう→却下
引き返す→あり得ない
右側、比較的緩やかに下れそうだが下見民家見えず→下ったところで迷子になりそうなので却下
左側、街が見える。ただしかなり急な下り→……消去法だ。やむなくこの道を選ぶ。もうどうしても降りたい。何がなんでも降りたい。
滑り台にしてもちょっと急すぎる斜面。
降りようと足を伸ばしても足場がない。
転げ落ちるくらいなら滑った方がマシと思い、おしりで滑り降りる。
ツルツルの道も、急な坂の山道にも屈せず、ナイス雪国センスでコケもしなかったのに、こんなところで私のおしりと雪が接触するはめに。
しかしそんなことを嘆いている余裕はない。
斜面と垂直に降りようとすると、多分生命の危機なので道なりに、ジグザグに滑り降りる。
滑り過ぎてあの世へ行ってしまわないように、「角」と見定めたあたりに差し掛かったら、フカフカの雪へ身体ごとダイブ!
または原始林の枝に両手でしがみつき急ブレーキ。
手袋が皮だったのが不幸中の幸いだ。
オシリで雪山を滑る、ダイブ!
オシリで雪山を滑る、枝にしがみついて急ブレーキ!
これを永遠と繰り返し、下る、下る、下る!
……しかし遠いぞ、ふもと!
やがて墓地が見えてきた。
ってことは雪道以外の「道」があるに違いない!
今まで生きてきて、墓地が見えてあんなに嬉しかったことはない。
「やったー!!平地だ!!」
バンザイしながら墓地到着。
円山原始林。装備を完璧にしていつか再び挑みたい。
私の喜怒哀楽が詰まった山よ。
いやぁ、本当に一時はどうなるかと思ったよ。
子供心と冒険心は、大人になったらwith「装備」で。
とはいえどっかで面白がってるから、私はダメなオトナのままさ。
オリジナル投稿(2003.02.09)
札幌ぶらりひとり旅日誌 2日目-うっかり遭難疑惑-


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- コヤナギ ユウ
- (yours-storeダイヒョー)
- イラストレーター・デザイナー・プランナー、株式会社yours-store代表。趣味が趣味に留められず「始めることが大切」と見切り発車し、「続けることがいちばん大切」と雪だるま式に人を巻き込む。登山とカメラが今の趣味で雑誌マニア。社会科見学先でハンカチーフを集めている。
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