- L016
- タナカ マリ(編集者&ライター)
仕事を辞めて中南米へ!
オンナ30、住んだ・旅した220日
思い立ったら、ラテン日和
地平線まで真っ白な世界!
極寒地獄のウユニ塩湖

世界一標高が高い首都、ラ・パスの繁華街。スーツ姿のビジネスマンと民族衣装の先住民のオバチャン達が自然にすれ違う。
ボリビアでは、どーっしても行きたい場所がひとつあった。それは「ウユニ塩湖」。世界最大の規模を誇る塩でできた湖。地平線まで見渡す限り真っ白な大地が続く写真を見て、ここだけは絶対行こうと決めていたのだ。
チチカカ湖を出発した私は、ウユニに行く高速バスに乗るため、まずボリビアの首都・ラ・パスに向かうことにした。ラ・パスは標高3800mに位置する、世界最高所の首都。
ラ・パスの街はぐるりと山に囲まれ、その山にもまた小さい家がビッシリへばりついている。バス通りの向こうに臨むのは万年雪をかぶったアンデス山脈だ。よくもまあ、こんな場所を首都に選んだもんだと感心する。
で、で、ここから向かいましたよ、憧れのウユニへ。ちなみにこのラ・パスからウユニまでの約8時間の夜行バスは、私の南米旅行上、最も過酷な移動となった。だって外は氷点下になる夜行バスで、暖房ゼロなんだものー! 凍える私を見かねた隣りの席のボリビア人のオッサンが、自分の毛布を半分かけてくれた程だ。なんで見知らぬオッサンと、恋人同士のようにひとつ毛布で眠らねばならんのか……(親切には感謝したけど)。明け方の窓ガラスには、霜がびっしり下りていた。
そんな極寒の移動の末、朝日がまぶしい午前7時にフラフラ状態でウユニの小さな町に到着。ここが塩湖ツアーへの拠点となるのだ。ちなみにウユニの標高4000m。ボリビアよ、いったいどこまで標高あがるんだい?
さて、目的地である塩湖はあまりに広大で個人で行くのは困難なので、ウユニの町でせっせと客引きする旅行会社のツアーに参加するのが一般的。頑丈な4WDに燃料や食料を積んで出かけるのだが、ひとり旅のバックパッカーが数人集まると1台の車に「乗り合い」になる。当然私も乗り合い組。
すると偶然にも日本人が3人。すごい確率! 卒業旅行がわりに南米放浪中の大学生男子2人と、30代に突入して突如、世界一周の旅に出た女子1名。他にフランス人とドイツ人の女の子が2人、という計6名が1台の車にギュウギュウと乗って、いざ塩湖ツアーがスタート!

地平線まで真っ白い塩湖を爆走中! この地面、ぜぇぇんぶ塩。サングラスをかけないと目が痛い。
トヨタの4WDで荒野をガンガン走ること数十分、突然姿を現したウユニ塩湖の素晴らしさは……もう言葉で表現するより写真を見てもらった方が早いっす、降参ですぅー。というぐらいすごい! 何がすごいって、まず一面見渡す限り真っ白の世界。そしてどこまでも濃い青空。白と青しか存在しない世界……。もう単なる「きれい」とか「迫力」という表現を越えている。この世の風景とは思えない!

ウユニ塩湖は、もちろんれっきとした塩田産業の場でもある。塩田で黙々と働くおっちゃん。こんな場所で毎日仕事してたら、どんな気分なんだろう?

塩湖の真ん中でお昼ご飯。3日分の食料を全部車に積んでいるのだ。ちなみにこのテーブルもメイド・オブ・塩!
そんな塩湖だが、いくら世界最大とはいえ4DWで2時間も走れば突っ切ってしまう。ここでウユニの町に戻る日帰りツアーもあるのだが、私が選んだのは、その先の道なき道の荒野を越えて2泊3日でチリ国境まで越えるコース。
じつはこの塩湖を越えた後に、さらに忘れ難いハードな道程が待ち受けていたのだけれど……。
塩湖を越えた後に現われるのは、地平線まで果てしなく広がるボリビアの荒れた大地。そこはメチャクチャ寒い。真冬のボリビアで標高4000mの高地にいるんだから当然だ。何よりの問題は、フリースにマフラーぐるぐる巻きの完全防備でも凍えるほど寒いのに、途中で泊まるボロ宿には電気もお湯もないということだ。正確には、宿がある村全体の電気が夜になると止まってしまうのだ。

塩湖を越えた後の荒野。こーいう場所を、チリの国境目指して2日かけて走る。当然道路なんてないので、ドライバーの腕だけが頼り……。
これはホント辛かった。シャワーを浴びようにも、氷点下の夜にお湯が出ないんだから無理。部屋には暖房がないので、フリースに手袋にマフラー、という昼間と同じ格好で布団に潜り込む。あまりに寒くてパジャマなんかに着替えていられないのだ。
この生命線ギリギリの極寒の夜、同じ車で移動を続けて打ち解けてきた日独仏の混合チームがしたことは……暖をとるためにとにかくビールを飲み、カーステレオのボリュームを最大限にして、寒々しいボロ宿の駐車場でとにかく躍る! 躍る!
いやー、この時「暖をとるために酒を飲む」ことの本当の意味を知りました、わたくし。アルコールを摂って体を動かさないと死にそうになる、そんなこともあるのです。
村の一角には外国人目当てに細々と営業しているディスコもあったのだが(ここだけは自家発電)、これがまた強烈で、泥壁の簡素な小屋に寂しく光るミラーボールの下、流れる音楽は無愛想なオッサンが回すカセットテープ! 客は私達だけ。時折カセットが止まるので、そのたびに「ムシカー!(音楽!)」と叫ばなくてはいけない。するとオッサンが面倒くさそうにテープをB面(ってもう死語だね)に裏返す。という驚異のアナログ・ディスコなのた。
ここでも、楽しむためにというよりは、ひたすら体を温めるために躍り続けた私達。
電気のない真っ暗な村、うら寂しく響く80年代ポップス、でも外に出ると、凍える夜空には満点の星! このボリビアの山奥の2泊3日は、いろんな意味で忘れ難いのでありました。

地球じゃない星の光景に見えるのは私だけ? これも荒野の風景。
【Hace mucho frio.】
「アセ ムーチョ フリオ」
すっごく寒い! ちなみにすっごく暑い! は「アセ ムーチョ カロール」。


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- タナカ マリ
- (編集者&ライター)
- 広告やWebコンテンツ制作の世界で、企画・編集・執筆等の仕事を続けて早8年。30代に突入したわりにはあり余る体力を、趣味のバイク、ランニング、サルサダンスで燃焼中。2008年、仕事を一時中断してスペイン語を学ぶため中米コスタリカに約半年滞在。「人生やったもん勝ち」を代々の家訓として掲げることを目論む今日この頃。

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まずはメキシコへ
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ブエノスアイレス到着!
そして終わる、ラテン日和



















