なんで生えて来るのか理解できない「大人の証」
アンダーヘアに考えるファンタジーな恋愛論
男女を区別しない場合、最初に訪れる「大人の証」はアンダーヘアだと思う。初めて生えて来たヤツらは、突拍子もない場所から突然力強く伸びて来た。
その存在感たるや生命力さえ感じたほどだ。
20年近く経過した今、先進国たる現代の日本では「アンダーヘア」は「むだ毛」に他ならない。なぜ存在しているのか、進化の途中でなぜこの部分だけ毛が残ったのかダーウィンにお伺いしたいほどだ。この頃では「ブラジリアンスタイル」と名付けられたツルッツルにしてしまう剃毛処理が一般女子の間にまで浸透する始末。憎らしいコンチクショウと化している。
これは私の仮定なのだが、まつげが濃いと自動的に体毛も濃くなる。毛を生産する能力として全体的に力強く、まつげもそのように生えたまでだと憶測する。
私は幸いまつげも濃く、悲しいことに体毛も濃い。
しかし、先の「ブラジリアンスタイル」を実行する行動力も経済力も毛の精力には劣る。
数年前に個人エステの広告制作の仕事を請負った時、ギャラの替わりに全身光脱毛をしてもらった。顔、腕、脇、足はもちろんのこと、アンダーヘアの「Vライン(前から見える部分)「Iライン(足を閉じたときに隠れる大事な部分)」「Oライン(肛門近辺)」の3セットをお願いした。
紙ショーツをはかされて、こちらの恥じらいを配慮してか少しずつずらしながら部分的に照射していく……のだが余計に恥ずかしい。こうなったらこちとら「まな板の上の濃い」……いや「鯉」なのだ。いっそのこと産婦人科みたいに堂々と行ってくれという気分だ。
エステは医療機関ではないので、使っている機器も威力は劣る。照射も3ヶ月に一度、数セット行う。つまり、数度「少しずつずらされる」を体験するのだ。
その甲斐あって、私のアンダーヘアはいわゆる「味のり」になることができたのだが……それが維持したのは数ヶ月。
エステの光脱毛が弱いのか、私のアンダーヘアが強いのか判断が難しいところだが、今は「体験した」というネタ以外何もなかったかのようになってしまっている。(しかもその「味のり」は誰にも披露できずじまいという悲しい結果に)
男子はけっこうナイーブだ。女子よりずっとロマンチストが故、妄想の域に達した願望が絶えない。もじゃもじゃの女子はよほどフィテッシュな人でもない限り魅力的には映らないだろう。
残念な気持ちを抱えつつ、今のところ(やはり)披露する予定のないアンダーヘアに、完全な油断と放置を決め込んでいた。
先日、お手洗いの際にふとアンダーヘアを眺めてみた。
そこで、とうとう、次なる「大人の証」に出会ってしまい、正直、動揺を隠しきれないでいる。
そう、アンダーヘア発祥の「白髪」だ。
来た、とうとう来てしまった……。
実は髪も若白髪が多い方なので、遠くない将来訪れるとは思っていたが、あまりに不意打ちだ。
先の男子の「ナイーブ説」を思い起こす。ヤバい。このままでは戦線離脱か? 不本意すぎる。
そこで私は考えた。
妄想は妄想である。願望も願望である。現実に直面した場合、経験値が少なければ退くこともあるが、場数を踏んでいれば「それがチャームポイントだよ」なんて飛び道具もあったりするわけで。
そういうことは自分で言うもんじゃない、というのは重々承知だが、揺るがない現実を否定するわけにもいかない。
ここはひとつ、逆にこの「第二の大人の証」に賭けてみようじゃないか。
ナニがふたりを分かち合わせる、そのときを。


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- コヤナギ ユウ
- (yours-storeダイヒョー)
- イラストレーター・デザイナー・プランナー、株式会社yours-store代表。趣味が趣味に留められず「始めることが大切」と見切り発車し、「続けることがいちばん大切」と雪だるま式に人を巻き込む。登山とカメラが今の趣味で雑誌マニア。社会科見学先でハンカチーフを集めている。
- ・エッセイ:i REwrite you!





